暗殺ですか?(そーですね)

緒里たばさ『暗殺後宮』1巻、表紙

 出張掲載も侮れなくてスピリッツで今日このマンガ読んではわ! この主人公ちゃん私特効でちゅわ・・。ギザ歯?ふーんそういうのもあるんですね(お手洗い顔)くらいに扱って今まで屁とも思わなかったのに。作者の緒里さんはなんと『泣き虫弱虫諸葛孔明』(酒見賢一)のコミカライズもされてた方で後日読もうと思ったよ。

p.7

 ゾルディック家みたいに真っ黒い家はもう嫌だ!父様の眼の届かない後宮に入って友達つくりに行くど!って動機は明快な一方、決めシーンの口上では「私は最凶梟雄王皓の娘。・・・」と父様の名をおろしてくるのがたまらない。苦手で遠ざけている家族、私はあのひとみたいにならないって思ってるような人間をいざというとき自分の顔の上に信頼できるもののように近寄せてしまう、アンチモラル萌えですね・・。主人公の花鈴は健気で元気なだけでなく、下心も偏見も相応に持っててすき。はかりごとに関しても正直雲の上のひとたちが殺し合いしてても私はどうでもいいけど、くらいに思ってる。でも眼の前の理不尽には介入せずにはいられなくて、結局それが皇帝まわりの勢力図に介入することになる・・・というのが今後の筋書きの基底をなしてはいくのだろう。

p.72

 骨格は少女マンガのエッセンスだと思うの。そこに後宮もの、皇帝と臣下ものの、華美でもあれば俗悪でもある作品観光の愉しみがかぶさっているけど。ひとつ挙げるとすると、花鈴の凶相&お家柄のせいでずっと誤解が解けずビクビクしてる張鴻と連れ立ってるシーン。周女官の閑宮を訪問した張鴻がその空間の美しさに一瞬隙をつくってしまうけど、関係がピリピリしててもとりあえずいっしょの空間にいるだけでこういう隙とかゆるみが自然にでてしまうし、それで一気に関係が改善するとかでなくてもなんとなく(これはむしろ読者の側に)距離が縮まったようなものをおぼえる、というあたりが私には少女マンガの作法だなと。